交通事故が少ない国の特徴から日本の事故を減らす方法を考える

現在の日本での交通事故の件数は人口10万人当たりで600件近くとなっており、これは世界においてワースト1位になっています。いったいどうすれば交通事故の数を減らすことができるのでしょうか。

この記事では交通事故の少ない国の特徴について、日本の現状を比較しながら交通事故を減らせる方法について解説していきたいと思います。

日本で交通事故が多い理由

そもそも交通事故は人と人のケアレスミスによって起こるケースが大半を占めています。

そのため、交通事故が少ない国のほとんどは日本よりも人口密度が少ない国です。参照⇒後遺障害|弁護士法人アディーレ法律事務所

日本の場合は、狭い土地の中に人間が密集して住んでいるため、その分だけ交通事故の数が増える傾向にあります。特に大都市ではビルや塀等で視界が遮られていることが多く、街路樹や物陰から子供やお年寄りが飛び出してくる危険が高いことが事故が増える要因になっているようです。

また、交通事故においてしばしば自動車の数と比例している傾向にあります。実は日本は世界平均に比べて車を保有する台数が多い国です。これは地方では車がないと不便な地域がたくさん残っている事や、特に30代以降の世代では車を持つことが一種のステータスとされていた影響があります。

ただし、車を運転する人が増えれば増えるほど重篤な事故が起こりやすくなる傾向があります。もう一つの傾向として軽微な事故でもきちんと対処しているお国柄も影響していると考えられます。人口が少ない国の中には軽微な事故という事で現場で和解が成立して警察沙汰にならなかったり、警察の評価が下がるからという理由で報告を揚げないというケースも中にはあるからです。

都市に車を入れさせない

では、このような状況から日本で交通事故を減らすためにどのような事をすればいいのでしょうか。まず、第一に対策をしなければならないのは大都市における交通事故対策です。なぜなら日本では多くの人が大都市の中で住んでいるため必然的に交通事故が多くなることから、都市圏における交通事故対策をしっかりしておけば交通事故を劇的に減らすことができるからです。

大都市における交通事故を減らす方法として大都市内の自動車の数を規制する事が効果的です。ある一定のエリア内に限り、業務用や公共交通機関であるバスを除いた自動車での立ち入りを規制する事によって、そのエリア内の交通事故を大幅に減らす効果が期待できます。

この規制のデメリットとして住んでいる住民の移動に不便が生じることがあげられます。しかし、大都市では基本地下鉄やバス等の公共交通機関が発展していることがほとんどで都市内に住んでいる住民の移動に大きな制約を受けることは意外と少なくなっています。

郊外から都市に入る際にも郊外の駅で車から自動車に乗り換えることができるパークアンドライド方式の駐車場を整備すれば、郊外から都市に通勤通学に行く人の負担を減らすことができます。

乗り合いバスの普及を進めよう

では、地方で起きる交通事故を減らすためにはどうすればよいのでしょうか。地方は大都市とは違って人口が少ないので交通事故も少ない傾向にあります。しかし、公共交通機関が大都市と比べてあまり発展しおらず、1時間当たりの本数が少ないなど利便性もそこまで良くないことから、自然と自家用車がないと暮らしていくことができない状況となっています。

また新しく公共交通機関を立ち上げようと思っても利益を期待することができないため、大規模な公共交通網を築くことが困難になっています。そのため、地方ではコミュニティバス等の乗り合いバスが交通事故を減らす鍵となるでしょう。

バスは鉄道とは違い、線路や信号の設備を新たに設置する必要がないので、地方でも低コストで公共交通網を築くことができるようになっています。さらに、地域にある駅をいくつかのコミュニティバスのターミナルとすることによってより広範囲の公共交通網を築くことが可能となっています。

さらに、副次的効果として地方は大都市と比べて高齢者の数が多いため、判断能力が衰えた高齢者が車を運転して発生する交通事故も減らすことができます。

罰則を厳しくすることで交通事故を減らすことができる

この記事を読んでいる人の多くが、交通事故を起こしたことがない、あったとしても今まで数件しかなかった人がほとんどでしょう。それなのに交通事故がここまで多いことはおかしいと感じている方もいると思います。実は車を運転している人の中には交通事故を起こしやすい人が多く含まれています。

例えばいつも注意力が散漫だったり、感情の起伏が激しい人は交通事故を起こしやすい傾向にあります。そのような傾向を知っていれば用心して運転することである程度事故を防ぐことができますが、そのような自覚がない人が交通事故をよく起こしてしまいます。

そのような人が重大な交通事故を起こすことを事前に防ぐために、交通事故の罰則を厳しくしていくことが交通事故を減らす特効薬となるでしょう。例えば2年以内に5回交通事故を起こした場合、講習や適正テストを受ける事を義務化して当事者が交通事故を起こしやすいことを認識しやすくするだけでもかなり効果が期待できます。

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人口が減れば交通事故が減るのか

ただ、日本では今後交通事故が減っていくだろうと考えている人も多くいます。なぜならこれから日本の人口は移民を認めない限り、減っていくのはほぼ確実な状況となっており、交通事故の件数自体が減っていくことがあげられます。

また、都心では土地の値段が高騰しており、車を購入するだけでもかなりの費用が掛かるのに、毎月の維持費もかなりの金額がかかることから、若者を中心に車離れが起きていることも、交通事故が減っていくと考えている人の根拠になっています。

ただし、私は人口が減っても交通事故はそこまで減らないだろうと考えています。なぜなら日本ではまだまだ自家用車がないと日々の移動が不便である地域がたくさんあり、自家用車を利用する人の数は地方を中心にそこまで減らないだろうと予測しているからです。

また、人口が減ったとしても、交通事故を起こしやすい人の割合は変わらないため、交通事故の人口当たりの発生数を減らすことは難しいでしょう。日本の交通事故を減らすためには、日本各地の地域の公共交通網を拡充し、多くの人が自家用車がないと生活できない状況を改善するとともに、交通事故の罰則を軽微なものでも厳しくする必要があるでしょう。